わたしたちの免疫力
■コロナワクチンは有効か?
ワクチンがコロナウイルスをやっつける切り札だと言う報道が溢れています。
多くの方もワクチンを接種すれば感染しにくくなるし、また、他の人に感染させることを防げるのではないかと期待されているようです。
ファイザー製薬から送られてきた資料には以下のような記載があります。
「よくあるご質問について
Q 本剤に感染予防効果はありますか?
A 海外臨床試験の主要評価項目は感染予防効果ではなく発症予防を検証したものです。本剤接種後も基本的感染対策の徹底をお願いいたします。(原文通り)」
海外では、ワクチン接種をすればマスク着用もいらないし、コロナ禍以前の生活に戻れるという報道がされていますが、ファイザーの説明とは矛盾しているようです。
「発症予防の検証」ですが、資料によると、「なお、この有効性を評価した集団の追跡期間(中央値)は2回目接種後約2カ月時点でした。
本剤の予防効果の持続期間はわかっていませんが、本剤の臨床試験は継続中であり、今後さらに情報が得られる予定です。」と記されています。
ワクチンを接種してもコロナウイルスの感染を防ぐことは難しい様です。
また、重症化の予防についても未だ明確にはわかっておらず 今後も厳正に調査していくことが必要です。
■ウイルスは敵か味方か?
私たち人類は、ある時にはウイルスや細菌と戦い、また、ある時にはウイルスや細菌を取り込んで生活しています。
味噌や漬物、ヨーグルトなどに含まれる細菌が腸内環境を整えることはよく知られています。
また、私たちの遺伝情報の45%がウイルス由来のものであるという研究もあります。
ウイルスの感染によって人間が進化するという考えも成り立ちます。また、妊娠における胎盤の形成にとってウイルスが存在することで安定した胎盤がつくられたり、ヘルペスウイルスの持続的な感染が他の菌群の感染と発病を防いでいるという報告もあるようです。
つまり、私たち人間の命と健康にとって ウイルスを体内に取り込んでいくことは様々なメリットがあるようです。
■ウイルスと戦うとき
一方 今回の新型コロナウイルス感染症のように、新たなウイルスに初めて出会ったときに私たちの体は免疫反応を起こし、そのウイルスを排除するのか、または、侵入を許すのかという戦いが始まります。
戦いの戦略は、大きく分けて「自然免疫」と「獲得免疫」という二つの方法です。
【自然免疫の働き】
病原体と戦う最初の方法は、「食べる」という戦略です。
自然免疫の主な仕事はこれです。マクロファージや樹状細胞というパトロール隊や好中球・好酸球・好塩基球がウイルスと戦い食べる働きをします。
【獲得免疫の働き】
自然免疫を乗り越えて、体内に侵入したウイルスと戦う働きが「獲得免疫」と呼ばれるものです。
細胞の中に入り込んだ病原体や血液中の毒素に対して、樹状細胞が情報を提供してヘルパーT細胞を通じてB細胞を活性化して抗体を産生したり、キラーT細胞の働きを強めて病変を攻撃します。
(図は京都大学ウイルス・再生医科学研究所 河本宏研究室による)
コロナ感染者に、抗体が出来ているのか 抗体が出来ていないのか未だ結論は出ていません。
抗体が出来るということは、自然免疫を突破して、体の深いところで戦いがあったことを示すのですが、軽症であったコロナウイルス感染者には抗体が出来ていないという報告があり、私たちの体は、自然免疫という初期段階の戦いでコロナウイルスに勝っている可能性が高いのではないかと思っています。
と言うことであれば、抗体産生を目的としたワクチンに期待するよりも、自然免疫を高めるための戦略を練る方が良いのではないかと思います。
■自然免疫を高めるために
自然免疫力を高める方法については、癌を克服した方々の知恵が生かされると思います。
体を冷やさないこと、適度な運動をし、発酵食品や玄米菜食を取り入れて、肉や魚は摂り過ぎに気をつけることが推奨されています。
コロナウイルスに打ち勝つ免疫機能を私たちは持っています。
自信を持ち ストレスをためず 体を鍛え 体と心に最適な食事をしてコロナ禍を乗り越えて行きましょう。
ますみクリニック院長 青山浩一